~前書き~
昨日、第一部「カンチェンジュンガの風」(Wind of Darjeeling)は、20話をもって無事完結しました。
今日から始まる第二幕「ガンジス河畔にて」(River of Grace)では、スワミ・アベダーナンダの思想的・霊的背景となった、師ラーマクリシュナの教えを和訳・紹介していきます。
ラーマクリシュナを紹介する書物として最も有名なのは、『Gospel of Sri Ramakrishna』(ラーマクリシュナの福音)でしょう。これは在家の弟子マヘンドラナート・グプタ(M)が、師の言行を記録し、後にベンガル語で出版したものです。その後いくつかの英訳が生まれました。詳細な英訳としてニキラーナンダ版が知られていますが、それ以前にはアベダーナンダによる英訳もありました。前者には邦訳がありますが、後者は現在も未邦訳であり、将来的には紹介されることが望まれる貴重な資料です。
この『福音』については既に優れた翻訳や研究がありますので、本シリーズでは別の角度からラーマクリシュナの世界に触れてみたいと思います。
今回取り上げるのは、『Sayings of Sri Ramakrishna』(ラーマクリシュナの言葉)です。特に、その中に収められた寓話・たとえ話(Parables)を中心に、一日一話の形式で和訳と簡単な解説を添えながら紹介していく予定です。
底本には、アベダーナンダが1903年にニューヨークで出版した『The Sayings of Sri Ramakrishna』を用います。この書は後に『Complete Works of Swami Abhedananda』全11巻の、第5巻に収録されています。
全体では554話の言葉の記録ですが、その中から特に現代を生きる私たちの心にも響く格言や寓話を選び、およそ52話を紹介していきたいと思います。素朴でありながら深い含蓄に富んだラーマクリシュナの言葉を、できるだけ原文の味わいを損なわずにお届けできればと思います。
ガンジスの河畔に流れていた霊流の源泉を、ともに辿っていただければ幸いです。
それでは、明日より第一話を始めたいと思います。
※『ラーマクリシュナの言葉』には、山尾三省氏による邦訳がありますが、残念ながら収録は途中の150話までで、本シリーズで扱う寓話は未訳となっています。
また、ラーマクリシュナの生涯については、以下のサイトで紹介されている田中嫺玉氏著『インドの光』も参考になりますので、関心のある方は併せてご覧ください。


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