第17回 信念の力と真実在の海

― 公式記録から読み解く「スワミ・アベダーナンダはこう語った」から

今回のテーマは、「Self-confidence, Faith and Worship」、自信、信念(信仰)、そして礼拝です。

1.自信をもて、恐れるな、自らの神性を信じよ
Through self-confidence you will accomplish everything. When you walk in the Street, do not move as if a slave is going or as if somebody has raised a whip over your head.
Do not be frightened but walk like a man. Stand up, raise your head and walk like a gentleman. Do not be afraid of anything. That is your duty. And train your children to become like that.
Our true self is one with God in quality but in quantity it is a part, ***just as our body is one in quality with the cosmic body and in quantity it is infinitesimally small like a grain of sand.

自信を持つことで、あなたはあらゆることを成し遂げることができる。
街を歩くときは、まるで奴隷が歩いているように、あるいは誰かが頭上でムチを振り上げているように動いてはならない。恐れることなく、一人の人間として堂々と歩きなさい。立ち上がり、頭を上げ、紳士(淑女)らしく歩く。何ものにも恐れてはならない。それがあなたの務めです。子供たちもそのようになるよう育てなさい。
私たちの真の自己(本質)は、質において神と一つ、量においてその一部分である。それはちょうど、私たちの身体が、質においては宇宙の身体と一つであって、量においては一粒の砂のように極めて小さいのと同じである。

〔解 説〕
アベダーナンダは、単に成功哲学の、自己暗示として「自信」を説いているのではない。真の自己は神性を宿すというヴェーダーンタ哲学の立場から、自分を卑下したり恐れたりする必要はないと教えている。「自信」とは、自らが神と一つであるという、自らの内なる神性への信頼である。

2.自らを救う力は、自らの内にある
The higher nature is already within you. Realise it, control your lower mind and passions for the time being, then you will be able to live on the spiritual plane as the master over sense-pleasures.
Realise that the power to save yourself will not come to you unless you have faith in yourself, unless you know that God is within you and unless you become fearless.

より高い次元の性質は、すでにあなたの中にある。それを悟り、低次元の心や情熱(欲望)を制御しなさい。そうすれば、あなたは感覚的な快楽を支配する主人として、精神的、霊的な次元で生きることができるようになる。
自分自身を救う力は、自らを信じない限り、神が自らの内にあると知らない限り、そして恐れをなくさない限り、あなたには訪れないということを悟りなさい。

〔解 説〕
「高い次元の性質」とは、アートマン、本来の自己のこと。一方、「低次元の心」とは、欲望や怒り、不安、執着など、感覚に振り回される心を指す。
アベダーナンダは、人間は感覚の奴隷になるために生まれたのではなく、それらをコントロールする主人となる存在であると説いている。
「自分を救う力」は外から与えられるものではない。神は遠くにいる存在などではなく、自らの内に宿る。そのことへの信仰、信念と、恐れを超える勇気が、人間を本当の自由、開放へと導いていく。

3.心の力、信念・確信の力
Faith brings out the power of the mind. Faith is always constructive while doubt is destructive. Faith strengthens. It is an affirmation. You say with full energy that it will be so and it will happen so. But if you vacillate and doubt, you would not be able to reach the highest results.

信念(信仰)は心の力を引き出す。信念は常に建設的であり、疑いは常に破壊的である。信念は人を強くする。それは肯定的な宣言である。あなたが全力で「そうなる」と言えば、その通りになる。しかし、心が揺れ動き、疑いをはさむと、最高の成果に達することはできない。

〔解 説〕
ここでいう Faith は、単なる信仰というより自らの内なる神性と可能性に対する確信であり、「信念の力」や「積極精神」に極めて近い。このため、あえて信念と訳している。
アベダーナンダは、疑いは心の力を分散させるが、信念、確信は心を一つに集中させ、創造的な力を発揮させると説く。

4.知識、理性と経験に裏打ちされた信念の有益性
That faith is beneficial which is founded upon right knowledge, right reason and is supported by proper evidence.
正しい知識、正しい理性に基づき、そして、適切な裏付けによって支えられている信念(信仰)こそが、有益である。

〔解 説〕
アベダーナンダは、知識と理性、そして実際の経験によって確かめられた確信こそが、人間を成長へ導くと説く。この姿勢は、ヴェーダーンタの合理精神をよく表現している。

5.愛と献身が神の姿を現す
Intense longing, unswerving devotion and wholehearted love of the soul draw out from the infinite source any particular form which the devotee wishes to see and worship; they have the power, as it were, to condense and solidify the water of the ocean of Reality into various forms.

強烈な憧れ、揺るぎない信愛、そして魂の心からの愛は、献身する者が見たいと願い、崇めたいと願う特定の形をとって、無限の源から引き出す。
それは、いわば「真実在という大海の水」を、凝縮して固め、様々な形として現わす力を持っているのである。

〔解 説〕
アベダーナンダによれば、世界の本質は無限であり、形を超えた実在の大海である。
無形・無限の絶対者が、純粋な愛と信念、献身によって具体的な神々の姿(有形の人格神)として現れる仕組みを、「実在の海の水を凝縮してさまざまな形にする」という美しい比喩で表現している。


信念の光 恐れを越え 真実在の海へと魂を導く
霊峰の頂から降り注ぐ朝の光が 無限の海を照らし出すとき
人は自らの内に宿る神性を思い出す
信念の光 疑いを超え 愛と確信によって 形なき真理を現す

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