~麓の村人たち~

9. 村人たちの祈り

 朝の風が、茶畑の上をゆっくりと流れていた。

遠くで、村人たちの祈りの声が聞こえた。

それは歌のようでもあった。

風に乗って、その響きが山の方へ吸い込まれていく。

胸の奥で、何かが静かにほどけていくのを感じた。

男たちは手を合わせ、女たちは花を供え、子どもたちは水を汲んでいる。

どの動きにも、祈りがすでに溶け込んでいた。

彼らにとって祈りは、昨日の一日の続きであり、今日の呼吸の続きであり、

山の命とともに続いていくものだった。

ひとり、岩の上に座って、その声を聞いていた。

祈りの声は遠ざかり、やがて風の音と区別がつかなくなる。

そのとき、ふとこう思った。

祈りとは、山が人を通して息をしていることなのかもしれない、と。

やがて、カンチェンジュンガの峰が姿を見せる。

新しい一日が、そこから始まるのだと告げているようだった。

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