第12回 ラーマクリシュナ その1

― 公式記録から読み解く「スワミ・アベダーナンダはこう語った」から

再び、ラーマクリシュナ・ヴェーダーンタ僧院のサイトから、小見出しをつけて、和訳と必要に応じて簡単な解説をしてみることにしましょう。

1 「偉大な尊師、マスター」
The spirit of modern, progressive Hinduism was shown by the great Master, Bhagavan Sri Ramakrishna Paramahansa who was the master of Swami vivekananda.
現代的で進歩的なヒンドゥー教の精神は、スワミ・ヴィヴェーカーナンダの師である偉大な導師、バガヴァン・シュリ・ラーマクリシュナ・パラマハンサ(※)によって示された。

It was he who showed that need of the present day is the brotherly feeling and toleration of all religions.
現代に必要なものは、あらゆる宗教に対する「兄弟愛」と「寛容の精神」であることを身をもって示したのが、彼であった。

He was accepted by the Mohammedans and also by the Hindus of various sects.
彼はイスラム教徒たちだけでなく、さまざまな宗派のヒンドゥー教徒たちからも受け入れられた。

He was worshipped by the Christians, as he was worshipped by other religionists as their ideal.
彼は、キリスト教徒から崇拝されていた。他の宗教の信者から、彼らの理想像として崇拝されていたように。

In fact, in his life and teachings we find the embodiment as well as the personification of ideals of all the great religions of the world.
実際、彼の生涯と教えには、世界のあらゆる偉大な宗教の理想が具現化され、また体現されている。

【 脚 注 】
※ シュリ・ラーマクリシュナ・パラマハンサ(1836〜1886)
19世紀インドを代表する最大の神秘家であり聖者。アベダーナンダやヴィヴェーカーナンダの師。ヒンドゥー教の修行のみならず、イスラム教やキリスト教の修行も自ら実践し、すべての宗教が同じ一つの究極の真理(神)へ至る異なる道であることを体験的に証明した。「神の化身(アヴァターラ)」として現代でも世界中で尊崇されている。

2 「時代の救世主」
Sri Ramakrishna showed us the way to love all and to recognize God in all humanity.
シュリ・ラーマクリシュナは、すべての人を愛し、すべての人類の中に「神」を認識する道を、私たちに示された。

He is regarded as the Yugavatara in this age and also as an incarnation of the Divinity.
彼は、この時代における「ユガ・アヴァターラ」(※)であり、また、神の現れ(化身)であるとも見なされている。

He came to show the way of harmony and progress.
彼は、争いではなく「調和」の、そして停滞ではなく「霊的な進歩」の道を示すため、この地上にやってきた。

【 脚 注 】
※ ユガ・アヴァターラ
サンスクリット語で「ユガ」は時代(宇宙のサイクル)、「アヴァターラ」は神の化身を意味する。ヒンドゥー教の伝統では、世界の道徳や精神性が衰退した時代ごとに、神が特別な姿(救世主)として地上に降臨し、人類を正しい道へ導くとされる。ラーマクリシュナは、物質主義が蔓延するこの現代(カリ・ユガ)を救うために現れた、新しい時代の化身であると信じられている。

3 「生ける注釈書」
The message of Vedanta is the same as the message of Sri Ramakrishna.
ヴェーダーンタ(※1)の教えは、シュリ・ラーマクリシュナの教えと同一のものである。

His teachings are living commentaries to the Vedas.
彼の教えの数々は、聖典『ヴェーダ(※2)』に対する、「生ける注釈書」である。

【 脚 注 】
※1 ヴェーダーンタ(Vedanta):インド哲学の最高峰とされる思想体系。「ヴェーダの終極(結論)」を意味し、宇宙の根本原理である「ブラフマン(最高の実在)」と、個人の本質である「アートマン(真我)」は根源的に同一であるという「不二一元論(アドヴァイタ)」を中核とする。

※2 ヴェーダ(Vedas):紀元前千数百年以上も前から伝わる、ヒンドゥー教の最も古く権威ある聖典。神聖な知識そのものを指すが、古いサンスクリット語で書かれているため、学術的な解説なしにその真意を読み解くことは非常に困難とされる。

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